インフォメーション
LICENSE厚生労働大臣許可医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 承認済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性膝関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた毛髪組織治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
当クリニックでは、国内では数少ない自己の幹細胞を用いた「糖尿病」「脳卒中」「肝障害」「変形性関節症」「肌の再生」などの最先端の再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与や「毛髪の再生」を再生医療安全確保法のもと、自由診療を提供しています。再生医療とは、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会において、厳しく審査が行われ、治療の妥当性・安全性・医師体制などが適切と認められる事ではじめて厚生労働省に治療計画を提出することができます。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
薬での治療には限界なのだろうか。本当に手術は必要だろうか。
そんな思いで悩んでいたり、あきらめたりしていませんか?
ケガをしても傷跡が少しずつ薄くなる・・
当たり前のようですが、あなた自身の細胞には、弱ったところ、傷ついたところを修復するチカラがあります。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを「再生医療」と呼びます。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてを、自己細胞を用いた最先端の医療で行うことができる国内でも珍しい部類の医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配がほぼありません。
- 1億の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
できなくなったことを、再びできるように。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病、ひざ、股関節、肩などの関節の手術、そして脳卒中や脊髄損傷のリハビリテーションに長い間取り組んできました。従来の治療方法に限界を感じ、この最先端の「再生医療」を新たに治療に加えることで更なる可能性を実感しています。
医学部卒業後、様々の医療機関で外来から手術まで多くの症例の治療に取り組んできました。その後、平成17年に生まれ育った大阪で開業しました。外来では、ひざや股関節、肩の痛み、腰の痛み以外にも糖尿病、高血圧などの生活習慣病、そして、脳卒中や脊髄損傷の治療やリハビリテーションを行ってきました。
そんな中で、薬での限界を感じ、また、手術以外の方法がないのかを模索していたときにこの「再生医療」に出会いました。初めは、再生医療の治療効果には半信半疑でしたが、再生医療を進めるうちに、その効果に驚き、信頼へと変わっていきました。
「今まで、できなかったことが、できるようになる」これは、病気を治す側としてとても嬉しい言葉なのです。もちろん、再生医療は不治の病を全て治すことのできる万全な治療方法ではありません。ただ、従来の治療の効果をはるかに超えて結果が出せる可能性があるのです。もちろん、脳卒中や整形外科分野の疾患ではその後の筋力トレーニングやリハビリテーションは欠かせません。
当院では、長年培ったリハビリテーションの技術で指導もしております。糖尿病においては、インスリンの注射が必要なくなった、飲んでいる薬が減ったという効果がたくさん見られます。多くの患者様が、遠方からも来られます。
もう少し、近くにクリニックがあればというご要望に応えるため、今回、東京にもクリニックを構えることに致しました。
できるだけ、多くの方に再生医療を知ってもらいたい、そして、できるだけ多くの方に、再生医療の治療後もフォローもできたらという願いがあるからです。
今は美容分野でも再生医療は大きな効果があることを経験しましたので、治療から美容までトータルで再生医療を提供できるように再生医療の総合クリニックを目指しました。
今後もわたしは、あくまで自分の”細胞”の力、自分の治癒力を最大限に高めて病気を治すことにこだわっていきたいと思っています。
医療法人美喜有会理事長 坂本 貞範
略歴
- 1997年3月
- 関西医科大学 医学部卒
- 1997年4月
- 医師免許取得
- 1997年4月
- 大阪市立大学医学部付属病院 勤務
- 1998年5月
- 大阪社会医療センター附属病院 勤務
- 1998年9月
- 大阪府立中河内救命救急センター 勤務
- 1999年2月
- 国立大阪南病院 勤務
- 2000年3月
- 野上病院 勤務
- 2003年3月
- 大野記念病院 勤務
- 2005年5月
- さかもとクリニック 開設
- 2006年12月
- 医療法人美喜有会設立 理事長就任
主な医学論文•学会発表
- 論文名:透析患者に対する鏡視下手根管開放術の費用と手術手技
論文掲載:日本透析医学会雑誌(1340-3451)37巻Suppl.1 Page770(2004.05) - 論文名:IBBC手技を使用したTKAの中期成績
論文掲載:日本人工関節学会誌(1345-7608)30巻 Page35-36(2000.12) - 論文名:寛骨臼巨大骨欠損の再置換法とその成績 同種骨による欠損壁の修復と水酸アパタイト顆粒による空洞の修復
論文掲載:日本整形外科学会雑誌(0021-5325)74巻2号 Page S319(2000.02) - 論文名:骨セメントと骨界面に水酸アパタイト顆粒を介在させる界面バイオアクティブ骨セメント手技(IBBC)
論文掲載:日本整形外科学会雑誌(0021-5325)74巻3号 Page S666(2000.03) - 論文名:外反母趾手術chevron法に対するPLAの使用経験
論文掲載:中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)42巻1号 Page241-242(1999.01) - 論文名:亜急性に経過した膝蓋骨骨髄炎の1例
論文掲載:中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)41巻4号 Page1107(1998.07)
当院で再生医療を
サポートする専門医
渡久地 政尚
略歴
- 1991年3月
- 琉球大学 医学部 卒業
- 1991年4月
- 医師免許取得
- 1992年
- 沖縄協同病院 研修医
- 1994年
- 沖縄協同病院 外科 勤務
- 2000年
- 癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
- 2008年
- 沖縄協同病院 内科 勤務
- 2012年
- 老健施設 かりゆしの里 勤務
- 2013年6月
- 医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
- 2014年9月
- 医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
- 2017年8月
- 医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
圓尾 知之
略歴
- 2002年3月
- 京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業
- 2002年4月
- 医師免許取得
- 2002年4月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2002年6月
- 関西労災病院 脳神経外科 勤務
- 2003年6月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2003年12月
- 大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務
- 2004年6月
- 大阪労災病院 脳神経外科 勤務
- 2005年11月
- 大手前病院 脳神経外科 勤務
- 2007年12月
- 大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
- 2012年3月
- 大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)
- 2012年4月
- 大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教
- 2014年4月
- 大手前病院 脳神経外科 部長
加藤 秀一
略歴
- 1997年3月
- 埼玉医科大学 医学部 卒業
- 1997年4月
- 医師免許取得
- 1997年4月
- 三重大学附属病院 整形外科 研修医
- 1998年4月
- 伊賀市立上野総合病院 整形外科 勤務
- 2000年6月
- 鈴鹿中央病院 整形外科 勤務
- 2001年6月
- 三重大学医学部大学院 整形外科学 勤務
- 2003年4月
- 医療法人山本総合病院 整形外科 勤務
- 2004年4月
- 三重県立総合医療センター 整形外科 勤務
- 2006年4月
- 四日市社会保険病院 整形外科 勤務
- 2008年4月
- 医療法人博仁会 村瀬病院 整形外科 勤務
- 2008年9月
- 医療法人美喜有会 理事
- 2009年4月
- 医療法人美喜有会 整形外科みきゆうクリニック 管理者
所属学会
- クボタスラッガー 大型型遠征バッグ ブラック×レッド T-116-BKRD <2022CON> 整形外科専門医
- トイレットペーパーホルダー おしゃれ スマホ 小物 トイレ 収納 北欧 インテリア雑貨 yamazaki 山崎実業 トイレットペーパーホルダー上ラック 2段 タワー tower リウマチ医
- Bruder(ブルーダー)CATショベル 2021 プロシリーズコンストラクション BR02483 工事現場で働く車 スポーツ医
- 焼き肉 焼肉 肉 ゲタカルビ醤油だれ漬け(200g)情熱ホルモン 情ホル 脊椎脊髄病医
- 博多玄海漁師天 (イカ) 約90g×3枚 博水 福岡 博多 人気 土産 惣菜 保存料無添加 玄界灘産えそ100%すり身使用 低脂肪 高たんぱく 条件付き送料無料 リハビリテーション医
Dr.サカモトの 再生医療チャンネル
症例紹介
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- 膝関節の症例
- スポーツ医療の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
スキーがまたしたい この方はスキーをすることが趣味で、今年の3月にスキーで転倒してから右膝の痛みが増強しました。それまではあまり膝の痛みは気にならなかったとのことです。近くの病院で剥離骨折と診断され副木固定されました。その後、歩行はできるようになるが、やはり階段や力の入った時に膝の痛みが出てくるのは治まらないとのことでした。 痛みを取りたいということで、当院を知っていただき来院されました。当院でのレントゲンでは変形性膝関節症の初期を認め、MRI検査では半月板の損傷も認めていました。損傷の程度は中程度でした。損傷が初期だからといって、変形の進行が止まったり、半月板損傷が修復され治るわけではありません。たとえ痛みが軽くなったとしても、損傷の程度は時間と共に大きくなっていきます。再生医療での治療する際にも、損傷が進んだ状態より初期の状態の方が治療の効果は高くなります。半月板損傷によく見られる症状ですが、受傷した時は痛くてもその後放置していると痛みが軽くなるので治療せず様子みることが多くなります。ただ、様子見てても徐々に損傷がひどくなり次に痛くなった時には、末期となっていることもよく見られます。再生医療でも早期治療のほうがいいでしょう。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の内側が狭くなっており軟骨が減少しています。MRIでは半月板が白く損傷したところがあります <治療効果>両膝に幹細胞5000万個1回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を投与して1ヶ月目には半分痛み軽快され、2ヶ月後にはすっかり膝の痛みは無くなりました。このようにまだ損傷は軽い場合は当院での再生医療の治療で痛みが全くなくなることは多く見られています。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID T000018 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.07.12 -
- 膝関節の症例
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
股関節の拘縮からくる膝のX脚変形 この方は約10年前に右膝が痛くなり始めました。その頃右の変形性股関節症で手術を勧められていました。なんとか騙し騙し様子を見ていましたが、いよいよ痛みが強くなり歩行も10分で休憩しなければいけなくなりました。立ち上がりの時も右の股関節の痛みと右膝の痛みがありました。来院され診察したところ、右股関節が屈曲したまま拘縮しておりそれが原因で骨盤が右に傾き、さらにそれによって右膝がX脚方向に力が加わることで膝の外側の軟骨損傷されていました。 変形性膝関節症の多くは、膝の内側の軟骨損傷によるO脚変形となります。この方のように股関節の変形が始まって、それをかばうことで膝の変形が始まることもよくあります。その場合、膝の外側の軟骨がすり減ることが多く見られます。股関節の変形とともに、股関節は内転と屈曲方向に拘縮するのが原因だからです。股関節を内股で歩くとわかりますが、膝の外側に負担がかかりますよね。やはり、変形の初期の時点からこの拘縮を予防するリハビリはとても重要となります。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の外側が狭くなっており軟骨が減少しています。右股関節の関節が狭くなっておりほぼ末期となっております。 <治療効果>両膝・股関節に幹細胞1億個3回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を関節内ピンポイント注射して1ヶ月目には半分痛み軽快され、3ヶ月後には3分の1まで痛みが軽くなられました。膝の痛みもほとんど痛みが軽快され歩行もしやすくなりました。股関節の可動域も徐々に改善されおり、体の傾きも少なくなりました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID 000360 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.06.19 -
- 膝関節の症例
- スポーツ医療の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
登山が好きでまた登りたい! 4ヶ月前に登山中に転倒され受傷する。その後から膝が腫れて歩行時の痛みが見られました。しばらく様子見ると腫れは取れて歩行時の痛みは軽減しましたが、階段の降りる時やしゃがみ込みの時に痛みが出るとのことでした。放っておいても痛みが取れず、近くの病院でMR I検査したところ半月板損傷と変形性膝関節症と診断されました。保険診療の範囲では半月板損傷の場合、痛みがあれば関節鏡の手術が第一選択となります。そうなると、半月板の切除や縫合術が行われます。切除した場合はその数年後から100%変形性膝関節症へ移行します。縫合術の場合は半月板と縫った糸が擦れて数年後には断裂する可能性が高くなります。今まではこのような後遺症があっても関節鏡しか選択肢がなかったのですが、新たな再生医療という選択肢ができました。ただ、再生医療と言っても、幹細胞の数や性質によって臨床成績がかなり変わってきます。当院では国内では珍しい冷凍せず培養する方法で生存率の高い幹細胞を使用しており、これによって非常に高い治療効果を出しております。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の内側が狭くなっており軟骨が減少しています。MRIでは外側と内側の半月板が水平に断裂(白くなっている所)しています。 <治療効果>両膝に合計幹細胞5000万個を2回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を注射して1ヶ月目には8割ほど痛み軽快され、3ヶ月後には10分の1に痛みが順調に軽減されました。幹細胞を投与して3ヶ月ほどで山登りを再開されました。山登りをしても、時々違和感は残るもののほぼ痛みは消失しました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID T000035 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.05.23 -
- 膝関節の症例
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
カナダから来院!膝と股関節の幹細胞治療 カナダ在住の日本の方で、現地で体操のコーチをされています。4年前から股関節の痛みを認め、その後膝の痛みも出現しました。5年前には右膝の後十字靭帯の損傷をされています。変形性膝関節症の原因として、外傷後の変形というものがあります。膝関節の大事な靱帯として前十字靭帯と後十字靭帯があります。膝関節の中心にある靭帯で、スポーツや交通事故などでよく損傷します。この方も後十字靭帯を損傷されておりそれが原因で軟骨の損傷が進んだと思われます。 レントゲン所見 レントゲン上では、膝関節の内側が狭くなっており軟骨が減少しています。両股関節の関節が狭くなっておりほぼ末期となっております。 <治療効果>両膝・股関節に幹細胞2億個3回投与+PRP 当院独自の冷凍しない方法で培養した幹細胞を関節内ピンポイント注射して1ヶ月目には半分痛み軽快され、2ヶ月後には3分の1、3ヶ月後には10分の1に痛みが順調に軽減されました。体操のコーチということもあり、日頃から筋力トレーニングや関節の可動域訓練はしっかりとされており、特に当院からのリハビリ指導がなくても大丈夫でした。最終日には、とても丁寧な長文の手紙をいただきました。痛みがかなり軽減され、カナダに帰ることになりましたが日本での数ヶ月間の治療での滞在ご苦労様でした。やはり故郷が懐かしかったのか、カナダに帰るのがどこか少し寂しそうに思えました。 <治療費> 関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個) 投与回数 (1回~3回)132~418万円(税込) PRP治療 16.5万円(税込) <起こりうる副作用> ・細胞採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状のよりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ID T000136 再生医療医師監修:坂本貞範
2022.05.08
坂本院長のブログ
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- 肘
肘頭滑液包炎とは、その症状と原因、治療法 肘頭の滑液包に炎症が起こった状態である肘頭滑液包炎をご存知でしょうか?肘を頻回に使って酷使したり、感染症が原因で起こる病気です。 肘の痛みや、腫れをきたすため、日常生活に支障をきたすこともあります。この記事では、肘頭滑液包炎の症状や原因について説明し、治療法についても説明いたします。 肘の解剖 肘頭滑液包炎を理解するため必要な、肘の解剖を簡単にご説明します。まず肘頭は、肘の先端にある尖った部分です。わたしたちが机に肘をつくとき、机に接しているところが肘頭になります。 この肘の先端である肘頭と皮膚の間には、滑液包と呼ばれる液体に満たされた薄い袋があります。滑液包は肩、腰、膝、踵などの関節の近くにもあり、骨、筋肉、腱のクッションになります。肘の滑液包は、皮膚が肘頭の骨の上をスムーズにスライドする動きを助けます。 肘頭滑液包炎は、肘頭の滑液包に炎症が起こった状態です。続けて、肘頭滑液包炎の症状や原因、そして治療法を説明します。 肘頭滑液包炎の症状 滑液包が炎症を起こすと、まず痛みを伴うようになります。炎症を起こした滑液包からの痛みは、突然起こることもありますし、時間をかけて徐々に悪化していくこともあります。また最初は肘を動かしたときに痛みを感じますが、進行するとじっとしていても痛みを感じるようになります。 また肘の関節の周りに腫れや発赤を生じます。感染症が原因となっている場合は、局所に熱感を伴うこと、また発熱することもあります。 痛みや腫れなどの症状に加えて、肘頭滑液包炎が悪化すると、肘を使うことが困難になります。慣れた日常生活の動作も、痛みのために辛くなるかもしれません。 肘頭滑液包炎の原因 肘頭滑液包炎の原因には、外傷、過度に肘を使うこと、また黄色ブドウ球菌による感染などがあります。 過度に肘を使うこととして、例えば野球ボールを投げる動作を繰り返すこと、肘に負担のかかる姿勢を長時間続けることなどがあります。肘や腕を使った動作を繰り返し行うことで、肘の滑液包にかかる圧力が高くなり、炎症を起こします。 そのほか大工仕事、ガーデニング、絵を描くことなどでも起こることがあります。また、音楽家は肘頭滑液包炎になるリスクが高いと言われています。 肘頭滑液包炎の治療法 肘頭滑液包炎の治療は、感染症が原因か、そうでないかでわかれます。 感染症による肘頭滑液包炎の治療法 感染症が原因である場合、抗菌薬による治療は必須です。通常は1週間程度、黄色ブドウ球菌に有効な抗菌薬を飲む必要があります。症状が良くなっても、体内に残っている病原菌を確実に除去ために、処方された期間は抗菌薬を服用する必要があります。 感染した滑液をできるだけ除去するために、針を刺して滑液包も吸引することがあります。吸引した滑液を詳しく調べることで、病原菌がわかることもありますので、診断を目的に吸引する場合もあります。 感染症が原因ではない肘頭滑液包炎の治療法 感染症が原因ではない場合は、自宅でもある程度治療ができます。 まず、運動や仕事で滑液包炎の原因となった腕の動きを避けることは、症状の緩和に役立ちます。痛みを我慢して仕事をしたり、スポーツをしたりしないようにしましょう。 またNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)は、滑液包炎によって引き起こされる痛みや炎症を軽減するために役立ちます。装具を利用して肘が動かないように固定すると、症状は改善しやすくなります。三角巾などで手を吊るだけでも構いません。 これらの治療が3~6週間経っても効果がない場合は、滑液包の周りの過剰な液体を吸引すると同時に、炎症を抑えるためにステロイド薬の注射をすることがあります。 感染症が原因ではない肘頭滑液包炎は、3~6週間程度安静にすることで治ることが一般的です。肘頭滑液包炎は完治が期待できますので、肘に負担をかけずに仕事や学業ができるのであれば、治療中に仕事や学校を休む必要はありません。 なお肘頭滑液包炎は通常問診と診察だけで診断できますが、治療してもなかなかよくならない、あるいは再発を繰り返す場合は、X線やMRIなどを用いての画像検査を行うこともあります。 肘頭滑液包炎の手術 肘頭滑液包炎は、重症化しても手術を必要とすることはまれです。ただし、症状が非外科的治療に反応しない場合、または抗菌薬を服用しても良くならないほど重度の感染症がある場合、手術が必要な場合があります。 手術では、炎症を起こしている肘の滑液包を切除します。術後は、肘を固定するための装具が必要になります。回復には1カ月ほどかかります。 まとめ・肘頭滑液包炎とは、その症状と原因、治療法 以上、肘頭滑液包炎について、症状や原因、治療法について説明しました。 肘頭滑液包炎を予防する最善の方法は、できるだけ肘を酷使しないことです。肘を使う激しい運動や活動のあとは、体を休め、回復するための時間を設けましょう。 また仕事や趣味で肘を使うことが多い場合は、肘当てをつけるなどして、保護具を使うとよいでしょう。もし、それでも中々よくならない肘の痛みがある場合は、早めに整形外科をはじめ、医療機関にご相談されることをお勧めいたします。 No.078 監修:医師 坂本貞範 ▼ 今注目の「再生医療」は最新の医療分野です 自ら再生しようとする力、自然治癒力を活かした最先端の医療です
2022.07.18 -
- 肘
肘が痛い、肘関節が痛むときに疑われる病気とは? 肘は、腕を伸ばしたり曲げたりして生活をする上で重要な役割を果たしている関節です。 肘関節構成する骨や靭帯、そして筋肉などは、複雑に連携しあってその機能を果たしていますが、さまざまな原因によって痛みを生じることがあります。 この記事では、肘関節について簡単に説明したのちに、肘が痛くなる原因についてご説明いたします。この記事を読むことで、肘が痛いときに考えられる原因や対処法について知っていただくことができるでしょう。 肘関節について 肘関節は、上腕と前腕の間にある関節で、上腕骨と前腕の橈骨と尺骨の3つの骨によって関節が形成されています。 3つの骨の間にはそれぞれ関節があるため、肘には3つの関節が含まれており、共通の関節包で覆われています。関節の関節面は、軟骨の層で隔てられており、関節のスムーズな動きは、潤滑油の役割をする粘性の高い滑液によってもたらされます。 肘関節を形成する骨同士をつなぐ複数の靭帯があり、関節の安定性に寄与しています。また肘関節は曲げる(屈曲)、伸ばす(伸展)、内側に捻る(回内)、外側に捻る(回外)といった動きができますが、同時に手首を曲げて捻るなど、他の関節の動きと連動して動くこともできます。そしてこれらの複雑な動きは、それぞれ関係する筋肉の収縮によるものです。 肘が痛いときに疑われる病気 肘が痛いとき、疑われる病気がいくつかあります。ここでは、それぞれの症状や原因、また対処法についてご紹介します。 上腕骨内側上顆炎 上腕骨内側上顆炎は、一般にリトルリーガー肘、ゴルフ肘とも呼ばれています。野球の投球動作やゴルフのダウンスイングを繰り返し行うことが原因です。そのほかにも、仕事で毎日ハンマーを振るなど、手の動きを繰り返した結果、発症することもあります。 上腕骨内側上顆炎は、肘の内側に沿って痛みが生じます。特に手首を掌側に曲げる動きや物を持って肘を曲げることが、痛みの引き金になることがあります。繰り返し手首を曲げたり、指を握ったりして動かすことで、上腕骨の内側に付着する筋肉の腱が炎症を起こすことが原因です。 痛みを感じる間は安静にし、患部をアイシングしたり、NSAIDsと呼ばれる非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用したりすることで、多くの場合は改善します。発症時は運動するときだけの痛みですが、悪化すると安静にしていても痛みを感じるようになります。 上腕骨外側上顆炎 上腕骨外側上顆炎は、別名テニス肘とも呼ばれます。ラケットを使うスポーツをしたり、またハンマーを打ち付けたりするなど、ラケットを使ったスポーツと同じような動きをする特定の腕の動きを繰り返していると、この症状を生じることがあります。 アスリート以外に、シェフ、大工、自動車修理工、配管工、また音楽家なども上腕骨外側上顆炎を起こします。上腕骨外側上顆炎では、肘の外側にある腱が影響を受けています。 肘の外側に沿って痛みや熱感などの症状が現れます。また、握ることに問題が生じることもあります。これらの症状は通常、痛みの強いときは非ステロイド性消炎鎮痛薬を内服の上安静にする、患部をアイシングする、また局部を圧迫するバンドを利用する、理学療法をするなどの方法で、多くの場合は改善します。 肘頭滑液包炎 肘を曲げたときにできる肘の後方の出っ張りが肘頭ですが、この肘頭の皮下に存在するクッションの役割を果たしている滑液包に生じる炎症です。 肘への直接の打撃、長時間肘をついて肘に圧力をかけていた場合、感染症、リウマチなどの内科疾患などが原因となっています。 局所の腫れが最初の症状です。腫れが大きくなってくると、滑液包が大きくなり、周囲の神経を刺激するために痛みを感じるようになります。感染症の場合、発赤や熱感が生じることがあります。適切に治療が行われないと、徐々に肘を動かすことも難しくなってきます。 感染症が原因であれば、抗菌薬の内服が必要です。滑液包の内部の液体が多いときは、注射により液体を抜きます。また感染症が原因ではない場合は、アイシングや圧迫、非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服で管理します。重症な場合は、手術が必要になることもあります。 変形性肘関節症 変形性関節症は、関節内に存在しクッションの役割を果たしている軟骨が侵される病気で、軟骨が摩耗する結果、クッションを失った関節が損傷を受けます。変形性肘関節症では、肘の怪我や関節炎などによって引き起こされる場合があります。 主に肘の内側では、骨棘と呼ばれる骨の過剰な突起物ができ、そのために肘の動きが制限されます。また骨棘が折れてしまうと関節内で遊離体となり、関節の動きを止めてしまうことも生じえます(ロッキング)。 肘の痛み、肘の曲げ伸ばしが困難になる、肘の曲げ伸ばしの動きが急に制限されてロックされるような感覚がする、肘を動かすときの異常な音、肘関節の腫れなどの症状を認めます。進行すると、肘部管症候群と呼ばれる肘の内側にある尺骨神経が圧迫される状態になり、薬指と小指の感覚の力が入りにくくなり、感覚も鈍くなります。 通常、固定具を用いた安静、消炎鎮痛薬の使用などの薬物療法、そして理学療法で治療を開始します。ただ重症の場合は、人工関節置換術を含む手術が行われます。 肘の脱臼または骨折 肘を伸ばした状態で転倒するなど、肘に強い衝撃が加わると脱臼や骨折を起こすことがあります。 症状としては、痛みのほかに肘の腫れや変色など、肘周囲の見た目の変形がみられます。また、激しい痛みのために、通常は肘関節を動かすことができなくなります。 脱臼を伴う場合は専門医により骨を元の位置に戻し、脱臼または骨折した肘をギブス等で固定し、鎮痛薬を投与します。ギプスを外した後は、可動域の回復を目的とした理学療法が役立ちます。 肘の靭帯損傷 肘の靭帯損傷は、肘関節にある靭帯のいずれかに発生するもので、外傷、または投球動作など肘への繰り返すストレスの影響を受けて生じます。部分的な断裂と完全断裂があり、肘関節の脱臼や骨折に伴うこともよくあります。 症状は、肘の痛み、肘関節の不安定さ、腫れ、可動域の制限などです。 受傷直後は肘を固定して安静にし、患部をアイシングして鎮痛薬による鎮痛を図ります。通常は数週間の固定を要し、固定が解除されてから理学療法に取り組みます。ときに手術が必要となります。 まとめ・肘が痛い、肘関節が痛むときに疑われる病気とは? 以上、肘が痛いときに考えられる病気、その原因や対処法についてご説明しました。 ただ正確に診断するためには、やはり専門医の診療を受けることが大切です。医師は病歴を確認し、診察した上で必要な検査を行い、診断に基づいて適切な治療を行います。 もし、肘の痛みで悩んでいる方がおられたら、ぜひお近くの整形外科をはじめ医療機関にご相談ください。 No.077 監修:医師 坂本貞範 ▼ 再生医療に関する詳細は以下をご覧下さい 自分自身の自ら再生しようとする力、自然治癒力を活かした最先端の医療です
2022.07.14 -
- テニス肘
- スポーツ医療
- 肘
テニス肘とは、その症状と原因、治療法について テニス肘をご存知でしょうか?テニスをされている方はテニスエルボーとも呼んでいるものです。テニスという名前がついていることからテニスをしない人には関係がないと思われがちなテニス肘。実際は、テニスをしていなくても頻回に繰り返し腕を使う仕事やスポーツをしている人にも発症する病態です。 今回は、テニス肘について、その症状や原因、また治療法などについてご説明いたします。この記事を読んでいただくことで、テニス肘に対する理解が深まり、適切に対処できるようになれば幸いです。 テニス肘とは? テニス肘(外側上顆炎)は、一般的には、ラケットを強く握るテニスプレーヤーが発症しやすいと言われています。しかし、「上腕骨外側上顆炎」として知られている、肘の痛みを伴うこの状態は、スポーツ選手だけでなく誰でも発症する可能性があります。 特に前腕に負荷がかかる動きを繰り返すと、上腕の骨に筋肉が付着する腱が炎症を起こし、同じ動きを続けるうちに腱が変性し、最終的には切れてしまいます。 テニス肘は、腕を曲げたり、まっすぐにしたり、ものを握ったり、持ち上げたりするときに、肘の外側に痛みを起こす可能性があります。しかし、多くの人は、手術をせずに痛みを軽減させることができます。 どんな人がテニス肘になるのか? テニス肘は、30才から50才の人に多く、性別に関係なく幅広く、発症する可能性があります。プロのスポーツ選手だけでなく、前腕、手首、手を激しく、かつ反復的に使う活動を定期的に行っている人は、誰でもテニス肘になる可能性があります。 テニス選手のほかにも、野球やソフトボールの選手、テニスやラケットボールの選手なども危険因子です。 例えば組立ラインの工場労働者や自動車整備士、肉屋、料理人、大工、清掃員、塗装工、配管工、歯科医、造園家、音楽家など、特定の職業に就いている人も、テニス肘になりやすいと言われています。 テニス肘の原因 手首や指を曲げたり伸ばしたりして、腕を繰り返し動かすと、前腕の筋肉が疲労してきます。テニス肘と関係のある腱は、肘の外側にある骨の隆起(上腕骨外側上顆)にこの前腕の筋肉を付着させています。 筋肉が疲労すると、腱により多くの負荷がかかるようになります。この過負荷が、腱鞘炎と呼ばれる炎症と痛みを引き起こしています。さらに時間が経つと、この過負荷は腱の変性を起こし、最終的には腱断裂につながります。 多くの場合は長期にわたる負荷が原因ですが、突然の腕や肘の怪我が原因で発症することもあります。まれに、原因不明で発症する人もいます。 テニス肘の症状 テニス肘の症状はゆっくりと現れる傾向があります。痛みは数週間から数ヶ月の間に悪化します。テニス肘の症状には次のようなものがあります。 ・夜間に悪化することがある肘の外側の痛み、手首への痛み ・腕をひねったり曲げたりするときの痛み(ドアノブを回すときや瓶を開けるときなど) ・腕を伸ばしたときのこわばりや痛み ・肘関節の腫れ、触ると痛い ・ラケットやペン、または人の手などを持とうとしたときの握力が弱くなる テニス肘の診断 痛みを引き起こす可能性のある動作について質問します。また、肘関節の痛みや腫れなどをチェックするために身体診察を行います。診断のために、以下のような検査が行われることがあります。 ・骨折などを除外するための単純X線検査 ・超音波検査、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンなどの画像検査を用いて、腱や筋肉の損傷の状態を評価 ・筋電図検査は、筋肉や神経の電気的活動を測定し、神経が圧迫されていないかどうかを調べる テニス肘の治療 テニス肘は、特別に治療をしなくても、自然に良くなることがあります。しかし、その回復には1年半ほどかかることがあります。 非外科的および低侵襲な治療法 そこで、回復を早めることができる手術以外の方法をまずご紹介します。テニス肘の非外科的および低侵襲な治療法には以下のものがあります。 ・安静:腱の治癒を待つために、数週間は痛みのある側の腕を使う活動を停止するか、作業量を減らすことを検討します ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsは、痛みや炎症を和らげることが期待できます ・テニス肘用のバンド:取り外し可能なテニス肘用のバンドを痛みのある前腕部に装着します。この装具は、腱や筋肉の緊張を和らげるものです ・理学療法:理学療法による運動は、前腕の筋肉と握力を強化します ・ステロイド注射:ステロイドの注射により、関節の痛みや炎症が一時的に緩和されます。 外科的治療法 非外科的療法を6~12カ月続けても症状が改善しない場合、関節鏡下または切開による手術を行います。手術では、通常、変性した腱を除去します。回復には4~6ヶ月かかることが一般的です。テニス肘になった後は、症状が再発しないように、装具の着用が必要となることもあります。 まとめ・テニス肘(テニスエルボー)とは、その症状と原因、治療法について 以上、今回はテニス肘についてご説明しました。 テニスをしていない人にとっては関係がないと思われがちかもしれませんが、ご説明した通り、必ずしもテニスと関係がない方でも起こりうる病態です。もし肘の痛みで悩んでいる方がおられたら、かかりつけの整形外科医にご相談ください。参考にしていただければ幸いです。 No.076 監修:医師 坂本貞範 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.07.12 -
- ひざ
- スポーツ医療
たな障害(膝滑膜ひだ障害)とは、その原因と症状、治療法 はじめに 運動を日常的に行う中で、突然、膝から崩れて座り込んでしまうことがあります。運動中の膝くずれの原因として、前十字靭帯の損傷や、膝蓋骨の脱臼、半月板の損傷などの膝の障害は有名であり、聞かれたことも多いのではないでしょうか。 一方で、『たな障害』と呼ばれる病気についてはご存知でしょうか。この『たな障害』も、膝の傷害で運動中に膝くずれを引き起こす病気です。たな障害は治療が手遅れになると重症になってしまい、痛みが強くなり、手術が必要な状態になってしまう病気なのです。 膝の病気、タナ障害とはどんな病気なのか、原因と症状、その治療法について紹介していきます。 たな障害の原因と症状 『たな障害』=『膝滑膜ひだ障害』とは、『滑膜ひだ』という膝にある関節の内側にある『ひだ』に炎症が起きてしまう病気です。 滑膜とは膝の動きを滑らかにする滑液という液体を作っている薄い膜です。滑膜に炎症が起きてしまうと、膝を滑らかに動かすことができなくなったり、膝を動かすと痛みを感じたりします。 『たな障害』は、野球や、バレーボール、バスケットボール、ハンドボールなど膝の曲げ伸ばしを頻繁に繰り返し行う運動選手によくみられますが、運動習慣のある人は誰しも起こり得る病気です。一般的な中高生の部活動で発症することも多くみられます。 膝の曲げ伸ばしを繰り返したり、捻ったりの動作を繰り返すと、『滑膜ひだ』が狭くなってしまい炎症を起こしてしまうのが原因で起こります。大きな外傷がなくても、曲げ伸ばしや、捻る動作を繰り返すと徐々に痛みが増えてくることもあります。 最初の症状としては、膝のお皿と言われている部分である膝蓋骨の内側や下側に痛みを自覚します。 徐々に『膝がぐらぐらする』といった、動かしにくさを自覚するようになります。やがて、痛みが出現し、動ける範囲内が制限されるようになります。徐々に痛みや動かしにくさは悪くなり、数分歩行するだけで痛みが出現するようになります。 さらに悪化すると、歩行中や運動中、突然、膝くずれを起こしてしまいます。 診察では、『たなテスト』と呼ばれる検査が行われます。この検査では、膝蓋骨の内側の下の方を医師が親指で押さえた状態で、膝を曲げます。このときに痛みを自覚するときや、医師が『ひっかかり』を感じるときに『たな障害』が疑われます。 さらに、レントゲン検査や、超音波検査、M R I検査といった画像検査を行い、滑膜の状態を評価して総合的に診断が行われます。なお、タナ障害には簡単な検査方法があります。 膝の曲げ伸ばしをすると、お皿の周りで引っ掛かかりがみられ「ポキッ、ポキッ」といったクリックしたような音が効かれたり、膝に手を当てると感じる場合は可能性が高いと思われます。 たな障害の治療 たな障害の治療で一番大事なことは、運動を休み、膝の安静を保つことです。しかし、実際には運動を続けられることが多いため、運動を続けて重症化させてしまう運動選手が多いため、注意が必要です。 症状が軽いときには、湿布を貼ったり、炎症を抑える薬を内服したりすること治ることがあります。また、膝の関節内にヒアルロン酸を注射して関節の動きを良くしたり、ステロイド剤を注射して炎症を抑えたりすることで痛みが引くこともあります。 多くの場合、タナ障害は、運動をやめる又は、減らして安静を保ちつつ、ストレッチや湿布等での冷却をはかり、大腿四頭筋の筋力維持訓練など、膝への負担を減らせば症状は落ち着きはじめます。 たな障害が重症化した場合は運動を休止し、湿布や内服、注射などの治療を開始しても痛みがひかないことが多いです。また、痛みが一時的にひいても、運動を再開したときにすぐに痛みが再発してしまうこともあります。 しかし、実際のところ運動選手は、多少の動かしにくさや、痛みがありながらも、運動を継続して行うことができるため、症状は一時的なもの、「大丈夫だろう」と思いがち、自分に都合の良い判断をした上で治療せずに我慢してしまうことが多くあります。 症状が重症化したあとでは希ではありますが、手術も選択肢となり治療期間も長引くことになるため、違和感等を感じた際は、早めに医療機関や整形外科等を受診して専門家の判断を仰ぐべきです。 手術による治療が必要になった場合は関節鏡手術という関節の内視鏡を用いて行い、『ひだ』の切除を行います。 手術自体は20分程度で終わることが多いですが、手術による傷の確認や、腫れや副作用の確認のために入院による治療が必要になります。入院期間は2日から1週間程度で行われることが多いですが、手術後の経過によって前後します。 手術の傷口が感染してまった場合などは、再び手術が必要になってしまうこともあります。尚、手術が成功すれば、すぐに運動に復帰できるかというと、そうではありません。リハビリが必要になるからです。運動に復帰するためには、およそ2週間から数ヶ月のリハビリを覚悟しなければなりません。 さらには、リハビリを行った後でも、元々のパフォーマンスがすぐに発揮できるまでは、更に時間を要することが多いです。 まとめ・たな障害(膝滑膜ひだ障害)とは、その原因と症状、治療法 『たな障害』は膝の病気で運動選手によく起こる病気の一つです。 この病気は、症状が軽いうちは手術による治療を要することは少ないです。しかし、痛みや動かしにくさを、我慢して運動を続けると症状が悪化し、手術が必要になることもある病気です。 手術した後は、リハビリが必要です。すぐに運動に復帰することはできません。軽症なうちに運動を休む期間よりも、長い期間、運動ができなくなってしまいます。いずれにしましても膝の周囲の筋力強化と柔軟性を他待つためのストレッチは欠かさず行うようにしましょう。 長い期間、休まないといけないのは、運動選手にとって致命的になってしまうことも少なくないでしょう。症状が気になる人は我慢して運動を続けようとせず、早期に病院を受診して治療を受けるようにしましょう。 以上、たな障害(膝滑膜ひだ障害)とは、その原因と症状、治療法について記載させていただきました。ご参考になれば幸いです。 No.075 監修:医師 坂本貞範 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています >
2022.07.08